「深い学び」と「注意力」―focused, sustained attention & the transformaive power of attention-

 上記の画像は、今までブログで述べてきました「深い学び」と「注意力] (attention)をまとめたものです。深い学びに関しては、様々な書籍が出版され、今後も出版されると思われます。私がここで述べたいのは、「深い学び」をもたらすものです。ICT教育、反転授業、アクティブ・ラーニング、そして「主体的・対話的で深い学び」と児童・生徒・学生に対する学びについて、ここ数年、教育界で話題になっており、その教育のあり様に関して様々な議論が出ています。

 

 私は、かねがね講演や研究発表の場で、「反転授業によって生徒が主体的に学んで成長するのではく、主体的な学ぶ生徒が反転授業によって成長する。」と強調して話してきました。反転授業だけでなく、何か目新しい教授法が現れる度に、それにより、生徒が意欲的に学習に取り組み、成果を上がる期待が高まっているように思われます。その期待が外れると再び別の教授法に目を向けるというサイクルが繰り返されるのではないかと危惧しています。

 

 拙書で書きましたが、学習の成果をもたらすには3つの要因が必要です。私はそれをMMT(Method / Mindset / Time)と名付けています。反転授業を始めとする教授法は、Method(方法)に関することであり、Mindset(心的態度・心構え)や学習に要するTime(時間)が考慮されていません。反転授業の成功のカギは、この2点をどうするのかにあります。おそらく、ICT教育、アクティブ・ラーニング、そして「主体的・対話的で深い学び」においても同じことが言えるのではないかと思っています。

 

 Mindset と Time の2点が、Method と密接に関係します。それらは、今まで述べてきました focused, sustained attention(一点に集中し、長時間続く注意力)です。Mindsetに関しては、motivation(動機)や growth mindset (努力により成長するという考え)など様々なものを含みますが、学習する際においての精神的状態は、focused attention (一点に集中した注意力)になっているはずです。その反対の unfocused attention (集中していない注意力)は、発明や閃きとった例外的な場合を除いて、学習効果を望むことは難しいと思われます。そして、Time においては、sustained attention(長時間続く注意力)となります。その反対語は、short attention(短い注意力)です。いくら集中していたとしても、その時間が短ければ、より多くの効果や成果を望むことが出来ないでしょう。

 

 ICT教育において懸念されるのは、デジタル機器を使用することにより、attention(注意力)が他の情報やメールを始めとするSNSのメッセージの邪魔が入り、sustained attention(長時間続く注意力)ではなく、short attention(短い注意力)に陥ってしまうことです。たとえ sustained attention をしていたとしても、それが multitask(同時に2つ以上のことを行うこと)になっていては、focused attention(一点に集中した注意力)とはなっていません。

 

 様々な外からの誘惑に負けず(これにはself-control「自制心」が必要です)、「注意力」を「一点に集中し、」「長期間続ける」ことをすれば、the transformative power of attention(注意力が持つ(人を)変容させる力)により、新たな(あるいは深い)知識、スキル、智恵を得る(学ぶ)ことが出来ます。脳が持つ plasticity(可塑性)のためです。この一連の流れを表したのが、上の画像(「深い学び」と「注意力」attention ①)です。この流れを続けることにより(その下の画像「深い学び」と「注意力」attention ②)、より深い学びと繋がることが理解できると思います。

 

 これらから、私は、attention(注意力)の状態をどのようにするのかという視点で持って「深い学び」を含め、ICT教育、アクティブ・ラーニング、反転授業などの教授法をどのように行うのかを考えていくことが重要であると思っています。