問学から視点―試験について-

 「問い学ぶ」という「問学」の言葉を心に留めておくと、異なった視点で物事が見ることができます。例えば、小テスト、定期テストなどの試験の形式を考えてみると、「問」が出題され、それに対して「答える」という過程であることが分かります。すなわち、試験は、「問」→「答」、「問答」であると言うことができるでしょう。

 

 この「問答」は「自問自答」ではなく、「他問自答」になります。他者(教師)からの「問い」に対して、生徒が「答える」というものです。一般的には、試験というのは、「問答」の形式になっているとすれば、「問学」で試験を捉えると、「問題」に対して、「答える」だけでなく、「学ぶ」視点が加わります。

 

 試験の見直しすることを奨励されることはありますが、形式だけに終わる場合がよく見受けられます。というのも、生徒が試験を「問答」だとみなす限り、なかなか「学び」まで到達することは出来ません。そこで、試験は「問学」であるという姿勢で臨むと、生徒が「試験」を受けた後の態度も変化するのはないでしょうか?つまり、試験から「学ぶ」ことを重点に置き、試験に臨み、自分の「解答」の結果のみならず、間違った解答から、新たな学びにつなげることが出来れば、試験を通してより深い学びへと生徒を誘うことができるものと考えられます。